【アメックスゴールド祭り】景品表示法上の問題点
祭りが突然の終焉を迎え、いまだに夢じゃないかと思う日曜の朝。
もちおさんが景品表示法について検討されていました。
私も少しかじったことがある程度なので、正確性はさておき、自分なりの理解を整理したいと思います。
誤りがあっても一切責任は負いません、あしからず。
ポイント付与は景品規制の対象外(ということにしている)
一般的に、ポイントは事後の値引きという考え方で、景品規制の対象外になっています。
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/qa/keihinqa.html#Q24
ただ、一口にポイントといってもスーパーだけで使えるものもあれば、アメックスのように他社マイレージ等と交換できるものもあり、このQ&Aをもってアメックスのポイントが景品規制の対象外かは明確ではありませんが、少なくともアメックスとしてはこのQ&Aを根拠に対象外と考えていると思います。
いずれにせよ、そもそも景品規制に違反している、ということになっては「もっとポイント付与しろ〜」という根拠にならないので、ここはあまり気にしなくてよさそうです。
突然の中止は表示規制に抵触しないか
景品ではなく、表示の面ではどうでしょうか。
景品表示法は、不当な表示による消費者の適正な選択を防止するため、表示のしかたを規制しています。そのうちのひとつが有利誤認表示の禁止です。
景品表示法第5条第2号は、事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引において、価格その他の取引条件について、一般消費者に対し、
(1) 実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
(2) 競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています(有利誤認表示の禁止)。
表示対策課 | 消費者庁 より
景品表示法違反に対しては消費者庁が措置命令を出し、不当表示をやめさせることになります。
ただし、不当表示によって行なわれた取引が無効・取消と認められるわけではありません。
民法上の債務不履行を主張するか(集団訴訟の可能性?)
今回のようにポイントを付与しろ、という主張をするのであれば、民法上の債務不履行によることになると思います。
消費者契約法10条では、消費者の利益を一方的に害する契約条項は無効とされています。
変更の可能性があるとキャンペーン規約に盛り込んでいたとしても、消費者契約法で無効にされてしまうと、アメックスとしては付与要件を満たした決済にはポイントを付与しないと債務不履行ということになるのではないかと思います。
今後、数百万ポイント取り逃がした人がこぞって訴訟を起こす、という可能性はあるのかなーと思います。
(個人的にはそこまで保護されるのか疑問ですが)
アメックスにも少し同情しますが、6万ポイントの制限をした時点で、その前に発行した人についても上限を設けるべきでしたね。引き延ばして強制終了となった結果、敗訴した場合のリスクが拡大してしまいました。
今回のアメックスゴールド祭りは企業法務的にも注目すべきキャンペーン事例だったと思います。