家から締め出された夜の話
いつも通りの帰宅、のはずが
いつものように、「今から帰るよ」と妻に連絡して帰路につき、いつものように家の鍵を開けると。
「ガンっ」
ドアチェーンがかかっていました。
ここまではときどきあることで、たいてい物音に気づいて開けに来てくれるのですが、この日は少し待っても音沙汰なし。
チャイムを鳴らしても反応なし。
ケータイに電話をかけても反応なし。
帰る前に送ったLINEも既読になっていない。
明かりがついていない、ということは子どもと一緒に寝ている可能性が高い。しかもぐっすり。
さて困りました。
締め出されて考えたこと
スマホのバッテリーは持つか
残り60%弱。とりあえず時間をつぶすことはできそうです。
目覚めた妻が連絡してきたときに電池切れだとこっちが失踪か?ということになってしまいますが、最悪、長期戦になったらコンビニで充電器を買えるので、ここはあまり気にしなくてもよさそうです。
どこで暑さをしのぐか
この日はとても蒸し暑い日で、玄関の外でずっと待っているのもしんどいなと。
ご近所さんが出てきたときのはずかしさも考えると、妻から連絡があるまでいったん離脱するのが得策と判断しました。
といっても、我が家のまわりにはコンビニくらいしかなく、コーヒー飲んで待つにも15分ほど歩かなければなりません。
暑いので、とりあえずコンビニへ行きました。
どこで寝るか
帰宅未遂から30分ほど経過したあたりで、最悪、このまま朝まで眠りこけている可能性もあるんじゃ…?と思いはじめました。
そうなると翌日の仕事にも差し支えますので、寝る場所を探さなければなりません。
これまた徒歩15分ほどの場所にネットカフェがあることがわかったので、日付が変わっても連絡が来なかったらそちらへ移動することにしました。
もしや家族の身に何かあった?
一向に連絡もないまま、スマホでゲームする気にもならず、ただただ待っているうちに、だんだん「何かよくないことが起きたんじゃないか」と不安になってきました。
発作や転倒などで、家の中で意識を失っているんじゃないか、と。
その場合は一刻も早く対処しなければなりません。
となると、警察に相談するか、いやいや何もなかったらお騒がせ住民になってしまうから、鍵屋さんを呼んで開けてもらうべきか…。
1時間が経過
鍵屋さんについて調べようとした瞬間、妻から電話がかかってきました。
やはり眠り込んでしまっていたとのことでした。
ひとまず何事もなくてほっと胸をなでおろしました。
後から振り返れば笑い話ですが、無事に1日を終えられるありがたさを実感した1時間でした。